ただの雑記です

瞑想がどうとか冷静さがどうとか

2018/12/20
 
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25歳の男。宮城県出身。 大学院に進学するも一瞬で体調を崩し、以降2年ほどニートしてました。 今年から栃木県の那須塩原市にて派遣社員として働いています。 趣味は小説を読むこと、温泉巡り。 ミドリガメを飼っています。

仕事中によくトイレに行く。

別にトイレに用があるわけでなく、ちょっと気分転換のつもりで席から離れると自然とトイレに足が向く。書類をプリントアウトしようとしてコピー機のところまで行くつもりだったのにそのまま部屋を出てトイレに行ったり、上司に話あるなぁと思ってデスクへ行くつもりが、なんとなく回れ右してトイレへ。決してサボっているわけではなく気分転換、あくまで。

 

「おいあいつどこ行った」ってなったら大抵トイレにいる。個室で瞑想とかしてるから。自分の呼吸を数えたりしてめっちゃ集中してる。

瞑想はおすすめ。別に場所はトイレじゃなくてもいいんだけど、方法としてはただ呼吸に意識を向けるだけ。コツとしては、気が散っても気にしないこと。「ああ、いま気が散ったな」くらいに思って、また呼吸に意識を向け直す。最初は効果を実感しづらいけど、それでも続けてると少しずつ変わってくる。僕の場合、周りの余計なノイズに気を散らされなくなった。正確に言うと、一瞬、気が散るんだけどまた集中状態に戻れる。あと気持ちも落ち着く。

 

話を戻して、トイレで瞑想してると、もちろん他の個室から派手な爆裂音とか変なうめき声とか聞こえてくることがある。でも瞑想に入り込んでるとそんなの全然気にならない。「っはぁ……!」って聞こえてきても「ああ、いま結構な大物が出たんだな」くらいにしか思わない。「ボチャン」って聞こえてきて「やっぱりね」みたいな。

他人の排泄音くらいじゃ揺るがない。超冷静。自分が怖くなるくらい。トイレなんて非日常ばっかりですからね。自分の周囲で他人が全力で排泄してる場面なんか他にないでしょ。そんな状況でも冷静でいられるってかなりの大物(ウンコが、ではなく僕のことです)じゃない?将来が楽しみすぎる。

でも正直なところを言うと、そういう音を聞いた後に呼吸するのをためらってしまう自分もたしかにいて、「まだまだだなぁ」と思う。真の熟練者はこんなときでもただひたすらに呼吸を続けるんだろうなぁ、自分はまだ修業が足らんなと反省する。課題があるってことは成長できるってことで、その域に達した自分を想像しては希望を抱くわけだけど。

 

 

と言っても、毎回トイレで瞑想をしているわけではなく、本当に用を足しに行くこともある。

この前、小さいほうの用を足してトイレから出て廊下に出た時のこと。もう夜も遅いし、社内も静かだから誰もいないだろうと思って、チャックを上げきる前に廊下に出た。つまり、股間に右手を添えたまま。

で、そのまま左に行こうと思ってたんだけど、チャック上げるぞって右手を動かした時になんとなく廊下の右を振り返った。

若い女性、いました。こっち見てました。彼女一人だったんですが、僕の手元を見てすごく苦そうな顔してました。なんらかのストレスを受けたのだろうという表情でした、あからさまに。

そしたら「シャッ」てチャックが、それなりの音量で。

彼女はすぐに僕から視線を外してそのまま廊下を進んでいったんだけど、その横顔はなんというか、やるせないような、すごく疲れたような、言ってしまえば「クソみてぇな光景見た」というような表情になってて、「俺の瞳」という名のカメラで収めた彼女の横顔は完全に死んでた。僕が言うことではないけど、かなり悲壮感が漂ってた。

まさかそのまま彼女と同じ方向に歩いていくわけにもいかず、とりあえず廊下の右に方向転換した。

 

なんか、図らずして新手の露出狂みたいなことになった。出して見せつけるのではなく、仕舞う瞬間を見せるというニッチな部類。露出としてはなかなかのテクニックだと思う。派手さはないけど、想像の余地を相手に与える分、ダメージもでかいんじゃないだろうか。

分かってほしいのは決してわざとじゃないという点。この点について彼女にも弁明したいけど、顔を合わせただけでもセクハラ扱いされるんじゃないかと思うと火に油を注ぐような気がする。

 

ちなみに、このエピソードにはひとつ落とし穴がある。

それは、僕が「チャックを上げながら廊下に出た」というところ。これ、用を足した後の手順としては普通ではないですよね。つまり僕の一連の行動にはイレギュラーがあったということ。

そう、この時、用を足した僕は手を洗っていないのである。不潔と言われてもしょうがないわけ。

だから知り合いにはこの話ができない。「トイレに行ったあと手を洗わない奴」なんて思われたくないから。

 

しかし、あの女性のあの表情を見た時はさすがに冷静ではいられなかった。瞑想がどうとか、あの瞬間は吹き飛んだ。やっぱりまだまだ修行が足りないみたい。

いや、これでいいのか?

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25歳の男。宮城県出身。 大学院に進学するも一瞬で体調を崩し、以降2年ほどニートしてました。 今年から栃木県の那須塩原市にて派遣社員として働いています。 趣味は小説を読むこと、温泉巡り。 ミドリガメを飼っています。

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